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診療科・部門 Section

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リハビリテーション科

ご挨拶

リハビリテーション医学は独特な医学であり、その起源は第二次世界大戦後のアメリカ帰還兵へのアプローチに遡ります。当初の目的は、ただ寝ているだけでは無く身体機能を向上させ、自立し、社会に再び貢献できるようになることでした。経過とともに、リハビリテーションは機能回復と障害克服の医学として定義され、現代ではさらに活動を育むことが強調されています。
 
簡潔に表現すると、「リハビリテーション医学は、身体的・精神的な機能低下を回復し、障害を克服するだけでなく、個々の活動を育み、健康的で活動的な生活を促進する医学」となります。
 
人が健康的な社会生活を営むためには身体的・精神的に活発に暮らすことが不可欠です。しかし、疾患や外傷によりこれが難しい状況にある人々が多く存在します。
 
リハビリテーション医学は、これらの方々に対して身体機能を向上させる「リハビリテーションという活動」を通じ、その人のできる範囲で身体機能を改善し、より健康的で活動的な生活を実現する手段となります。
 
私たちは身体的な不利益を被った方々に寄り添い、リハビリテーションを通じて最大限の身体機能を引き出し、その人らしい活動的な生活をサポートいたします。

診療科の特徴

リハビリテーション医学は、①急性期、②回復期、③維持期の3つのフェーズがあります。

  1. 急性期:疾患発症直後や術直後
    可能な限り早期に介入しできるだけ体力や筋力等の基礎的な身体能機を落とさないよう介入する時期
  2. 回復期:急性期を脱したが、筋力低下や耐久性の低下・歩行障害等が残存している状態。また麻痺・嚥下障害、言葉の障害や高次脳機能障害等が残存している状態の方に専門病棟に入院して頂き、高度で専門的なリハビリテーションを提供し可能な限り元の状態に近づけるために重点的にリハビリテーションを行う我が国独自の施設基準
  3. 維持期:回復期入院等から退院された後、引き上げた身体機能を落とさないように定期的に身体状態を確認し修正していく時期

当院の大きな特徴の一つに急性期から維持期までの全フェーズに対応可能であり、早期介入から患者様の元の状態に近づけるために独自のプラグラムを用いて専門的な治療を提供しています。
 
また当院は回復期単科病院・慢性期病院とは異なり、救急治療を行っている急性期病院であるため専門治療が必要な場合は院内で対応でき、かつ対応が難しい場合でも近隣中核病院との連携を築き対応可能な環境を構築しています。
 
現代は特にチーム医療が重要視されています。当院では医師・看護師・介護士・看護補助者・リハビリテーションセラピスト・医療ソーシャルワーカー・栄養士・薬剤師など多職種が協力して患者様に合わせたオーダーメイドのリハビリテーションプログラムを提供しています。
 
また教育を重要視し、リハビリテーション医学の独自の用語や検査方法についての知識を向上させ、全スタッフが標準的な知識・技術・接遇を提供できるように努めています。
 
私たちは「全てのスタッフが患者様の身体機能を最大限引き出せるように全ての力を出し切る」という合言葉をもとに、最高の成果を出すために日々努力しています。

回復期リハビリテーションの対象疾患

対象疾患入院期間
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷(わんしんけいそうそんしょう)等の発症後もしくは手術後、または義肢装着訓練を要する状態150日
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷および頭部外傷を含む多部位外傷の場合180日
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折、または2 肢以上の多発骨折の発症後、または手術後の状態90日
外科手術または肺炎などの治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後または発症後の状態90日
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節または膝関節の神経、筋または靭帯損傷後の状態60日
股関節または膝関節の置換術後の状態90日

入院状況に関しては回復期病棟入院相談窓口までお問い合わせ下さい。
 
電話番号:046-223-3636(9~16時)

スタッフ紹介

  • 部長
  • 柳原 聡(ヤナギハラ サトシ)
役職 部長
資格・専門医 日本リハビリテーション医学会 認定臨床医
日本リハビリテーション医学会 リハビリテーション科専門医
義肢装具等適合判定医
所属学会 日本リハビリテーション医学会
出身大学 金沢医科大学(1994年卒)